【読】読書からはじまる

2021051501.jpg
読書からはじまる
【著】長田弘 【レーベル】ちくま文庫 【初版発行日】2021/5/10
私が読書に対して持っていた疑問を
著者の持つ考えでレクチャーしてくれる感じでした。
どうすれば読んだ本の内容を忘れずに済むのだろうと考えていたけど
忘れるという事が正しかったんだ。
忘れるから再読できるというのが重要なんだ。
本の友人である上で。
この本を読んで良かったと特に思った点は「子どもの本のちから」の内容です。
子どもの本を子どもだけが読む本だという先入観をなくそうという事。
自分が子どもの頃に存在しなかった児童向けの名作を
大人になったら読むという選択ができなくなるのか?
というところにまず疑問を持たせてくれた。
読書に対する考え方、本との付き合い方を教えてくれる本です。
途中に言葉や情報のくだりもありましたが
その辺は私には少し理解の難しかったです。
わかりやすい言葉で書かれているんだけど感覚で理解するのが難しいというか;
あとがきで知ったがこの本は各地の講演草稿から
すべて新しく書き下ろしたものらしい。
だから章同士の繋がりを感じにくくなっていたのかと納得。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■現実生活の友人はその人が生きているということが前提ですが、
本は死んだ人すべてのなかから、自由に自分で、友人を見つけることができる。
何千年もの昔に友人を求めることもできる。
読むとは、そうした友人と遊ぶということです。(19頁)
■本の文化を成り立たせてきたのは、実はこの忘れるちからです。
忘れられない本というものはありません。
読んだら忘れてしまえるというのが、本の持っているもっとも優れたちからです。(33頁)
■再読は、忘却とのたたかい方でもあれば、
必要な言葉を自分にとりもどす方法でもあるのです。(35頁)
■本は探してもないのがむしろ当たり前だからです。
<中略>
大事なのは、自分で本と出会う事であり、
自分で本を探すという事であり、そうして自分で読むということです。(55頁)
■知ってはいる。しかし、読んだことがない。
そのために大切な何かを落っことしているかもしれない。
そんな風に感じられるような子どもの本というのが、おそらくだれにだってあります。(97頁)
■読書の鉄則は、ただ一つです。
最初に良書ありき、ではありません。
下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる、です。(112頁)
■上手に読むというのは、読んでよかったと、
自分で自分に言える経験をするということです。(115頁)
(2021/5/15読了)

タイトルとURLをコピーしました