【読】シブサワ・コウ 0から1を創造する力

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シブサワ・コウ 0から1を創造する力
【著】シブサワ・コウ 【レーベル】PHP研究所 【初版発行日】2017/4/4
凄く興味深い内容で面白かったです。
読みやすいし、各章の最後に重要ポイントがまとめられています。
内容は大まかにいうと、シブサワ・コウ氏の仕事論、経営論と光栄の歴史。
創造性、独創性はどうしたら生み出すことができるのかの一端。
「川中島の合戦」から始まり、信長の野望、三國志、アダルトPCソフト、
ウイニングポスト、エアーマネジメントなど歴史ゲームだけでなく
様々なジャンルのゲームに挑戦していく姿勢も語られています。
私にとって光栄のゲームで特になじみ深いのは「遙かなる時空の中で」や
「金色のコルダ」「アンジェリーク」などのネオロマンスゲームですね。
日本初女性向け恋愛ゲームを作ったのが光栄なので
その辺りの内容も記載されていました。
特に有名なエピソードは光栄がファミコンに参入する際の恵子さんの
「光栄のゲームは半金前払い」ってやつですね。87頁辺り。
度胸あるなあと思った。たくさん苦情があっても自分の考えを貫き通して
結果、それが受け入れられましたし…。
ファミコン版三國志の定価1万4800円も凄いわ。
「任天堂の手のひらの上で商売させてもらうんだから…」って事で
9800円に下がったみたいだけども。
131頁を読んだ時、2001~2010年の9年間に発売された
KOEIのソフトがとても気になった。
IP戦略はナンバリングタイトル、シリーズタイトルを付けられる
商品やIPを生み出せると経営が安定するらしい。
そしてIPの創造が成功する事によって新たな挑戦がしやすくなる。
他社タイトルとのコラボや、他企業とのタイアップ、
海外にも拠点を設けたグローバルな展開など色々な戦略が。
テクモとの経営統合。その後はガストとの合併。
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■先人たちの人生を知ることは自分の身の処し方にもたいへん参考になります。
 先人たちの人生を知り、考え、先人たちの人生に思いを馳せ、
 自らの人生を顧みることは大きな意味を持つでしょう(36頁)
■興味を持った事は、とりあえずやってみる。
 そのような姿勢が道を開くチャンスに繋がっていく(44頁)
■企業を継続させ、発展させ続けるための仕組みの一つ「五つの関門」(171頁)
■自分では気づかない能力や適性、資質に、周りの人が気づくことは
 あるものです。その意見に真摯に耳を傾け、受け入れてみるのも、
 人生の道を切り開いていく一つの方法のように思います(178頁)
■『大ヒット連発のバンダイナムコが大切にしているたった1つの考え方』に
 書かれていた言葉が印象的でした。
 それは「ま、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」の三つの言葉で、
 これらを落ち込んだときに唱えると、絶対に復活できるというのです。(187頁)
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染料工業薬品販売の会社からゲーム開発の会社へ。
妻の恵子さんがプレゼントしてくれた1台のパソコンから始まった野望。
最後は恵子さんへの感謝で締めくくられていました。
光栄って硬派で堅実なイメージが強かったんですけど
今”あるもの”を変えるのではなく、
まだ”ないもの”を創り出す!

という新しいものに挑戦する事も大事にしてたんだなあと少し見方が変わった。
そしてこの本を読んでいる途中から光栄のゲームがやりたくなってきた。
大航海時代の事についてもこの本に書かれていて面白そうだと思った。
(2021/4/5読了)

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