【読】ポケモンの神話学 新版 ポケットの中の野生

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ポケモンの神話学 新版 ポケットの中の野生
【著】中沢新一 【レーベル】角川新書 【初版発行日】2016/10/20
2004年に新潮文庫として刊行された「ポケットの中の野生 ポケモンと子ども」に
加筆修正し、新たな序文を収録したのが本書。
更にいうと1997年に発行された「ポケットの中の野生 (今ここに生きる子ども) 」が大元。
個人的には自分が求めていた内容とは違ったので満足度は低かったです。
この本が語っているのは「ポケモン愛」的なものではないからです。
特定のゲームについて熱く語っている個人サイトの文章を読むと
そのゲームに対する関心や、プレイ中だったらモチベーションが上がるんですけど
この本はそういうものではないですね…。
「ポケモンをもっと楽しむ為に読む本」としては適してないです。
全6章で構成されているうちの第3章までは直接ポケモンと関係のない内容です。
インベーダーゲーム、ヴァーチャルと自然、タナトスとエロス、対象aとウルトラマン怪獣…
もう「対象a」っていう単語を当分見たくないくらい「対象a」が使われていた。
RPGについて語られている第3章の
『RPGは昔から、ということは人類がもう二万年も前から語りついできた、
神話や民話の仕組みをそのまま利用しているのである』

『「私」は自分がなにかとても重要なものを失っている、
と感じているけれども、それが何なのか自分でもわからない。
それを求めて「私」は、いまいるところを出て旅に出ようと思うのだ』

『ファンタジーは「私」を探求の旅に駆り立てるが
「私」の抱えている欠如はそれによって決して回復はされない』

という言葉が印象に残りました。
第6章「ゲーム世界の贈与論」を読んでいて思ったけど
通信に関してはポケモンの影響を受けて生まれた
サンリオタイムネットやドラクエモンスターズで通信した思い出の方が強かった。
私の場合だけど当時はポケモンで交換ってあんまりしなかったなぁ…。
DQMは対戦もしたし、DQM2で鍵の交換をかなりした記憶がある。
サンリオタイムネットはキャラが奇抜だったから好みのモンスター?と交換する為に通信してた;
私はポケモン赤・緑が発売された当時小学生だった。
マラソンのご褒美に母がポケモン緑を買ってくれたんじゃなかったっけかな?
爆発的なブームを起こしていたと感じます。
アニメポケモンが始まったばかりの頃は早朝にポケモンを観て、
ラジオ体操に行って…という夏休みを送っていた。
小学○年生みたいな雑誌についていたポケモンの切手みたいなのを
冊子に貼って集めていたり、小さいスーパーでポケモンキッズという指人形を買って集めたり…
なんか懐かしいなあ。。
デジモンも流行っていたっけな。
たまごっちくらいのサイズのゲーム機で
デジモンを育てて、塾で大会したりと面白かった。
(2021/3/5読了)
大元の本の発行日から考えると当時は「愛」とか「思い出」というものを語る程
歴史のあるコンテンツではなく、
「なぜここまでヒットしたのか解き明かそう」とか
「ゲームと我々の関わり」的なものを論じる内容で
大人が「始まったばかりのポケモン人気」を
理解する為の本だったのかなと思うようになりました。
(2021/3/11追記)

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