【読了】星の王子さま

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星の王子さま
【著】サン=テクジュペリ 【訳】河野万里子 【レーベル】新潮文庫 【初版発行日】2006/4/1
誰でもタイトルを知っているような凄く有名な作品ですが
ちゃんと読んだ事がないので購入してみたんですけど
結構な期間積んでしまっていた(帯がそれを物語ってる;)
話の系統としては宮沢賢治作品に近いものを感じました。
これを夜に読んでいると耐えられないくらいの眠気が来るので
読み終えるまでに数日かかりました;
(情景を想像しつつ読むと脳が疲れるのです)
挿絵がカラーなのが絵本みたいで良かったです。
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飛行機で砂漠に不時着した「僕」が出会った男の子。
それは小さな小さな自分の星を後にして
いくつもの星を巡ってから七番目の星・地球に辿り着いた王子さまだった。
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話のほとんどが王子さまの旅についてです。
小さな自分の星を旅立って道中に色々な人と出会い、
それぞれの価値観を知り、
旅によってかけがえのない存在に気付いたという感じ?
この本にとっての印象的な一文って
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」
なんだろうけど
個人的には
「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、
 きみが、バラのために費やした時間だったんだ」

が印象に残る一文でした。
地球人と星の王子さまの生きるルールが違うのなら
最後に住んでいた星に帰ってハッピーエンドってなりそうだけど
一分に一回まわる星や、地球での1年という滞在期間があるのなら
バラがどうなったかあまり考えたくないし、
消えた王子さまは星に帰ったのではなく蛇の毒で天に召されたのかもしれない。
文章読んだ感じだと蛇に噛まれて魂だけで故郷の星に還ったのかな?
この辺は考えすぎると逆に野暮なのかもしれない。
結末は読者の心持ち次第だよね。
どう想像したかで王子さまのその後が希望的なものになるかという見え方も変わってくるから
大人でなくて夢を持った子供に捧げる物語という風になっているんだろう。
(実際には小さな男の子だったころのレオン・ヴェルトに捧げる話だけど)
一番最初に「僕」にヒツジとバラの話をしていた王子さまは
トンチンカンな事を言っていたのかと思いきや
王子さまなりに切羽詰まっていたんだという事が2周目でようやく理解出来た。
色々な事に気付いたからこそ後悔も生まれたんだな…。
全部読み終えた後に王子さまとバラの別れのシーン見たらちょっと泣きそうになったわ。。
一度読み通してから一番最初の「レオン・ヴェルトに」のくだりを読んでみると
星の王子さまのモデルって「レオン・ヴェルト」なの?って
思わせるような内容になっているんですね。
1、2回読んだだけで知った風に色々と書いてしまったけど
この物語は何度も読み返す事が重要な作品かもしれない。
そうするともっと本質が見えてくるんじゃないかと思った。
(2022/2/26読了)

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